
ミシン刺繍を始めたいのですが、業務用の刺しゅうミシン、どれが良いか悩んでいます。
はじめに
当店の生徒様の中には、刺しゅうミシンを元手に起業して成功した方や、既存のビジネスに刺繍を加えて業績を大きく伸ばした方など、刺しゅうミシンを導入して以来、運命が変わった方がたくさんいらっしゃいます!
皆さん、生き生きとされて本当に眩しくて…。
私は、いつも皆さんからたくさんの刺激を受けて、自分もがんばらなくっちゃ!と前に進む元気をいただいています。
この記事では、ブラザー工業製の業務用刺しゅうミシン「PRシリーズ」の購入を検討している方のために、メーカーの公式動画のご紹介と、刺しゅうミシンの知っておきたいポイントなどを書きました。
忖度なしのタジマ工業製「TAJIMA SAI 彩」との比較も必見です!
この記事が、多くの方のビジネスの可能性を拡げる手助けとなりますように。



㊙ 刺繍は高めの価格設定で販売しやすいので、意外と早く初期投資が回収できますよ!
ブラザー工業製 業務用刺しゅうミシンのご紹介
まずは、ブラザー社の威信を賭けた最上位機種「PR1055X」を紹介します!
PR1055X 10針 業務用刺しゅうミシン
糸の掛け方から刺繍枠のはめ方、液晶画面の操作など、使い方が分かります!
PR10針の3大カメラ機能
実は刺繍って、「位置を合わせる」のが大変なんです。
狙ったところにきちんと刺繍できないと、製品として成立しないので…。
例えば、持ち込みのボーダー柄のシャツにボーダーに沿って横に文字を入れるだなんて、想像しただけで冷や汗が出てきてしまいます。
PR10針の3大カメラ機能は、この「位置合わせ」の作業を容易にしてくれる、すごい機能なのです。
この機能に慣れてしまうと、他の刺しゅうミシンは使えなくなってしまうと思います。
ライブカメラ機能
液晶画面で縫製する箇所を視認することができます!
スキャンニング機能
広い範囲で生地を確認したいときは、スキャン!
カメラ機能もスキャン機能も、生地を液晶画面に映し出して、好きな位置に模様を移動させて刺繍することができます。とっても便利ですよ!
ステッカー機能
3つめは、PRシリーズ最大の発明!ぜひ動画を見てください!
ブラザー社PRシリーズ最大の発明と言っても過言ではない、ステッカー(別名雪だるま)機能!
特に、Tシャツやバッグなどのボディに刺繍するときに、とても重宝しています。
刺しゅう枠を垂直×水平にセットしなくても、雪だるまマークがあれば、きっちりと位置決めしてくれるのです。
自動針穴糸通し
この自動針穴糸通し機能も、無いと困る便利な機能の1つです!





自動で針穴に糸を通したあとは、ワンアクションで糸を切ることができます!



ピンセットもハサミも要らないのは良いですね!
\ 他にも様々な工夫があります/
PR680W 6針 業務用刺しゅうミシン
次は、針が6本のタイプ。3大カメラ機能の代わりに、最新の技術が搭載されています!
最新の位置合わせ機能をご覧ください!
≪最新機能の搭載≫
・十字レーザーマーカーで位置合わせが確実にできるようになりました!
・刺しゅう枠に対して素材を真っ直ぐにセットできなくても、基準の線にレーザーマーカーを合わせるだけで、枠の張り直し無く、刺繡の角度合わせが調整できるようになりました!
・低テンション機能で、薄い生地や伸縮性のある生地の仕上がりがキレイになりました!


自動針穴糸通し
もちろん、PR680Xにも自動針穴糸通し機能があります!


\ 他にもたくさん機能があります /
PR1055XとPR680Wの比較
2つの機種の、主な違いを書き出してみました。
価格は、約50万円も違うのですねー。
一番の違いは、針数(一度に刺繍できる糸の数)と縫製の範囲(一度に刺繍できる大きさ)でしょうか。
比較事項 | 10針「PR1055X」 | 6針「PR680W」 |
---|---|---|
価格 | 1,485,000円 | 987,800円 |
針 | 10本 | 6本 |
最大縫製範囲 | タテ200×ヨコ360mm (同梱筒枠) タテ360×ヨコ360mm (ジャンボ枠) タテ60×ヨコ360mm (ワイド帽子枠) | タテ200×ヨコ300mm (同梱筒枠) タテ60×ヨコ130mm (帽子枠) |
ワイド帽子枠 | 使用できる | 使用できない ※その他の帽子枠は使用できます |
位置決め機能 | 3大カメラ機能 (ライブカメラ、スキャンニング、ステッカー) | 十字レーザーと簡易位置合わせ機能 |
糸調子 | 手動(独立ダイヤル調整式) | 手動 (独立ダイヤル調整式/低テンション機能) |
補助テーブル | 付属している ※布地に刺繍するときや、ジャケット等の大きなものに刺繍するときに安定します。 | 別売 |
発売年月日 | 2020年8月 | 2021年8月 |



位置決め機能は、どちらも魅力的で、甲乙つけられませんねー!
刺しゅう枠を使いこなそう
刺しゅう枠とは?
ミシン刺繍をするには、刺しゅうミシンに設置する「生地をセットするための枠=刺しゅう枠」が必要です。
同じ模様を刺繍する場合でも、平らな布地に刺繍するときと、帽子に刺繍するとき、靴に刺繍するとき、全て違う「刺しゅう枠」が必要となる場合があります。
PRシリーズには、標準装備の刺しゅう枠以外にも、たくさんのアクセサリー(刺しゅう枠)が用意されています。



1つ1つ値段が高いです。
でも、酷使しても壊れない点はスゴイ!
人気のある刺しゅう枠をご紹介します
帽子枠
クランプ枠(ぶら下げてセットする)
刺繡ビジネスの可能性を広げてくれます!
ネーム枠セット(名入れの必須アイテム)
ネーム枠は、ポケットや肩口、袖口に刺繍したり、ズボンのポケットを避けて刺繍するときに威力を発揮します!
帽子や靴、バッグ、ポケットなど完成品への刺繍は、業務用刺しゅうミシンだからこそ、できること。
家庭用ミシンの場合は、基本的に、縫製後の製品へ刺繍することはできません。
刺しゅうミシンのメンテナンス
日常のメンテナンス
トラブルなく快適に使用するためには、日常のメンテナンスが大切です。
- ミシン油を差す(釜は1日1回。針棒は週1回くらい)
- 釜を掃除する(1日1回~ボビンを交換するとき)+糸調子周りの埃を取る(ときどき)
- 針を交換する(ときどき。何か変?と思った時。最近取り換えてないと思った時。大きな仕事の後。)
お手入れグッズ



よくご質問を受けるので、いつも使用しているグッズを紹介しますね。
普通のミシンオイル。ベビー用の細い綿棒につけて使ってます
便利なスプレー式オイル
ブラシで取れない釜の埃をシューっと吹き飛ばしてくれます。
パソコンのキーボードの掃除にも使えます!


ミシン針は、ブラザー推奨 HA×130EBBR#11


こちらは10本入り。品揃えが良くて良心的なお店!


PRシリーズの純正使用針「HA×130EBBR」の特徴
- 自動糸通し機能…針穴が縦横少し大きくなっています。
- 針折れのリスクを軽減…飛散防止加工がされています。
ミシン針の交換



今まで一度も針を交換したことないです。
ミシンを買ってから1年以上経つけれど、一度も折れてないですよ?



刺繍ミシンの針は、一度に何千~何万回も使用するので、針先の消耗が激しいです。
肉眼では分かりにくいけれど、いつのまにか曲がってることも多いんですよね。
きっちりと刺繡枠をセットして糸調子も問題ないのに何度も上糸が切れたり、何か様子がおかしいな?というときに、ミシン針を交換して直ることがあります!



そういえば、よく切れてました💦
交換してみます!!
「点検」の合図が出てくる
業務用刺しゅうミシン「PRシリーズ」は、縫製時間が1500時間を越えると、液晶画面に「定期点検の時期になりました」というメッセージが表示されます。
(そのまま使い続けることはできます)
正規販売店に連絡をして、オーバーホール(ミシンを分解して点検や整備すること。メンテナンスやグリスアップと呼ぶこともある。)をしてもらいましょう。
費用は、5~7万円位が相場のようです。



車の車検に似てますね。
ミシンを分解して、消耗した部品を交換したり、中の汚れを除去して注油するなどして、快適に長く使用できるよう整備してくれます。
タジマ工業製「TAJIMA SAI 彩」と比較してみた!
ブラザー?タジマ?どっちにする?
さて、このページに辿り着いた方の中には、ブラザー製か、またはタジマ製か?
どちらにしたら良いか悩んでいらっしゃる方もいらっしゃると思います。
当店は創業前からブラザーさんにお世話になり、完全に回し者ですが(笑)、タジマさんの情報も色々と入ってくるので、消費者目線で、それぞれの良いところ気になるところを書いておこうと思います。
タジマ社は、もともと工業用の刺繍機を製造している会社で、数年前に店頭用の安価な刺しゅうミシン「TAJIMA SAI 彩」を発売しました。
何を重要視するのか?刺しゅうミシンを購入する際は、優先順位を決めてから選ぶと良いと思います。
タジマ工業製「TAJIMA SAI 彩」
価格の近いブラザーPR6針とタジマ彩を比較してみました


比較事項 | ブラザー PR 680W | タジマ TAJIMA SAI 彩 |
---|---|---|
価格 | 987,800円 | 957,000円 |
針 | 6本 | 8本 |
最大縫製範囲 | タテ200×ヨコ300mm (同梱筒枠) タテ60×ヨコ130mm (帽子枠) | タテ200mmxヨコ300mm (同梱袋物枠) タテ75mmXヨコ300mm (帽子枠) |
腕の部分 | ブラザーPRより細くて、懐が広い | |
位置合わせ | 5✖3㎝の十字レーザーと簡易位置合わせ機能 | 十字レーザー |
自動糸通し機能 | あり | ない? |
縫製のスピード | 最高 1,000針/分 ※振り幅が広いと減速し、針穴の広がりや針折れ等を防止する。(安全性と仕上がりを重視) | 最高 800針/分 ※速度がほぼ一定(時間短縮になる) |
枠サイズの認識 | 刺繍枠をセットするだけで完了。 | 縫製前にトレースするため少し時間がかかる。 |
本体寸法 | 幅51.2cm×奥行58.7cm×高さ76.2cm、質量38kg 彩よりも9.4cm背が高いが、幅と奥行きは一回り小さいので、専用台以外の台を探しやすい。 | 幅55.5mm×奥行66.8mm×高さ66.8mm、質量37kg PR680Wよりも4.3cm幅広、8.4cm奥行きがあり、9.4cm背が低い。 |
標準枠 | 4個 | 2個 |
別売りの枠 | 種類が豊富。 一部の枠は取付腕も付け替える必要がある。 | 種類は少ないが、さすが工業用メーカーのラインナップ |
刺繍ソフト | 別途必要 ・ブラザー製刺しゅうPRO(約10万円、多機能)と同一メーカーで親和性がある。 ・アルファベット130種類、日本語4種類 | 付属している ・機能が少ない分、簡単。 ・タジマ製ではないため、親和性が低い。 ・アルファベット31種類、日本語2種 ・タッチペンが筆文字になる |
体験 | 東京と大阪にショールームがあり、実機を体験できる。純正の刺繍枠が全部揃っている。 PRを置いている販売店で体験or見学できる。刺繍枠の品揃えに差異あり。 | 彩を置いている販売店で体験or見学できる。刺繍枠の品揃えに差異あり。 タジマ製の他の機種に関しては、他の顧客の店舗へ行って見学させてもらうこともあるらしい。 |
サポート | ブラザーコールセンター(お客様相談室)、メール、オンライン相談などサポート体制が充実している。 | メーカーのサポート体制が整っておらず、販売店に任せている。 |
故障 | 初期不良は、ほとんど無いらしい。 2003年にPR600を発売して以来、改良を重ねて何度もモデルチェンジをしている。 | 多い!? 購入後1カ月で液晶モニターの交換をしたケースや釜の交換など?? |



両方とも仕上がりはキレイですよ!
全体的にはブラザーPRの方が、良くできています!
出荷台数も、ブラザーPRの方が断然多いです。
故障とサポート



タジマ製「彩」は、正直なところ、故障とサポートが気になりますね。



そうですね。
購入を検討するときは、近場で、刺繍ミシンの修理やメンテナンスが得意で、面倒見の良い販売店を探すと良いかもしれません。
ブラザー社の “At your side.”



比べてしまうと、やっぱりブラザーさんのサポートは、充実しているので安心です。



ブラザー社では、コールセンターの案件を社内で共有して、改良や改善に繋げているそうですね。



最初のうちは色々と分からないことが出てきて、すごく不安になってくるんですけど、そんなときに調べたり質問できる場所があるって大切なポイントだと思うんです。



欲を言えば、土日祝にも対応してもらいたいなー
ミシン販売店も土日がお休みで、困ることがあります。
ミシン販売店の選び方
PRシリーズの販売店(展示店舗)は、以下のページに掲載されています。



この中からどうやって選べば良いのだろう
?
理想のミシン販売店を考えてみました
- それほど遠くない距離(片道2時間以内)
- 誠実に対応してくれる (安心感が重要)
- 刺繍ミシンのメンテナンスが得意 (長く使うことが前提)
- 刺繍データの作成ができる (相談できる)



何かトラブルがあったときに早めに来てもらえるように、それほど遠くない距離の販売店が良いのかなと思います!



あはは!
PRは、滅多に壊れませんよ。
ブラザー東京ショールームで実機を体験しよう
ブラザー製の刺しゅうミシンは、ショールームで実機をご覧頂くのが確実です。
純正の刺しゅう枠も全て揃っているので、持参したTシャツや帽子等への刺繍を体験させて頂くこともできるようです。(予約の際にご確認くださいね)



PR1055Xのカメラ機能と、PR680Wの十字レーザーマーカーの位置合わせを、実際にショールームで体験してください。
刺しゅうミシン&刺しゅうプロ教室 Q&A



今まで普通のミシンも触ったことがないけど、そんな自分でもミシン刺繍ができますか?



そういう方は、たくさんいらっしゃいますよ!
できあがった製品に刺繍する場合は、特別な縫製技術は必要ないです。
むしろ、パソコンやデザインに強い方が有利かと…。
大切なのは、心意気だと思います!



起業したいと思っています!
自分に使うことができそうかどうか、刺しゅうプロ教室で刺しゅうプロを体験させてもらったり、刺繍ミシンを見せてもらうことはできますか?



もちろんです!
刺繍でどんなものを作りたいのかをお伺いしながら、一緒に近道を考えたいと思います。
私もゼロからスタートして、手探りでここまで来ました。
刺繍のノウハウだけでなく、資材や道具、仕入れ先、ネットショップの話、売れそうな物、売れている物などなど、ご質問があれば全力でお答えします!
※ミシン販売店ではないのでミシンを売ることはありません。ご安心ください。



たくさん作って、どんどん売りたいのに、刺しゅうプロがうまく使えなくて困っています。



刺しゅうプロに困ったら、当店の講習にいらしてくださいね!
独学だと数年かかることを、マンツーマンの講習で短時間に習得することができます!
ブラザー刺繍プロにお悩みの方へ
当店は東京都多摩市でミシン刺繍の教室「ブラザー刺しゅうプロ教室」を行っています。
- 刺しゅうプロの使い方が、よく分からない
- 自動変換がうまくいかない
- きれいに刺繍できない 等々…
パソコン初心者の方からビジネスユーザーの方まで、お越しいただいています!
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